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YAPC::Hiroshima 2024 に参加してきました!

2024-02-16

YAPC::Hiroshima 2024 への協賛の思いとセッションレポート

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こんにちは。Engineering Manager の渡邊です。 2月9日(金)と2月10日(土)に広島国際会議場で開催された YAPC::Hiroshima 2024(以下、YAPC)に参加してきましたので、今回はその様子をレポートします。 はじめての YAPC、どんな雰囲気なのかわからず&個人的には Perl の経験はないのでドキドキの初参加でしたが想像以上に楽しく、また多くの学びのあるカンファレンスでした。

YAPC::Hiroshima 2024とは YAPC は Yet Another Perl Conference の略で、Perl を軸とした IT に関わる全ての人のためのカンファレンスです。 Perl だけにとどまらない技術者たちが、好きな技術の話をし交流するカンファレンスで、技術者であれば誰でも楽しめるお祭りです! YAPC::Hiroshima 2024公式Webサイトより

今回の YAPC には、弊社はシルバースポンサーとして協賛しています。 前述の通り YAPC は Perl を軸としたカンファレンスなのですが、ギフティのプロダクト開発では Perl は使われていません。プロダクトの多くは Ruby で開発されているため、これまでは RubyKaigi や Kaigi on Rails など Ruby/Rails 関係のカンファレンスを中心にスポンサードしてきました。 そんな中で今回の YAPC への協賛の背景には、既存の技術スタックに閉じることなく幅広く技術を深掘りしていきたいという技術組織としての今後の展望があります。

弊社も創業から14期目に入り、カジュアルギフトサービスの giftee は会員数 200 万人を超えて年間を通じて非常に多くの eギフトが流通するようになりました。また法人事業も年間の導入案件数が 10,000 件を超え、事業規模が飛躍的に拡大しています。自治体向け事業も、140 を超える全国の自治体に導入が進んでおり、ますます多くの地域の課題に向き合うようになりました。

このような事業成長に伴って、我々のエンジニアリングにもこれまで以上のスケーラビリティやサービスの信頼性が求められていることを実感しており、今後のさらなる事業拡大に立ち向かっていくための技術的知見を組織内に育んでいきたいという思いがあります。

そこで、YAPC への協賛の目的を下記のように整理し、CTOの柳瀬さんと、プラットフォームチームのリードエンジニアと3人で現地参加してきました。

協賛の主旨
- 既存の技術スタックに限定せず幅広く技術を深掘りすることで、エンジニアとしての体幹を鍛える
- 持続的な成長のため、今必要とされる技術だけではなく将来を見据えた技術的知見を獲得していきたい
- コアな技術を持つ人材や技術的知見を有するコミュニティとの接点を増やしたい

セッションレポート

まずはそーだいさん(@soudai1025)の コミュニティと共に生きる - キャリアの螺旋 というセッションからお伝えいたします。

そーだいさんには前職時代に一時期支援として参画していただいたこともあって、まっすぐで熱いお人柄は知っていたのですが、改めてめちゃくちゃ熱いセッションでした。 人生を変える言葉との出会いと題して、そーだいさんの人生を変えたいくつかの言葉が紹介されていました。 その中の1つ、@miyagawaさんの「Better late than never.(遅くても、やらないよりはやったほうがいい)」という言葉はめっちゃ熱かった。まだまだ自分も頑張らないとなーという気持ちにさせる言葉を、そーだいさん経由で受け取りました。

また計画的偶発性理論として「あなたの人生を変える瞬間は突然やってくる」、コミュニティとの関わりは「その瞬間が来る可能性を上げる」という話には激しく共感しました。 コミュニティでの発信を通して多くの人に刺激を与えるエバンジェリストとしての影響力に改めて畏敬の念を抱くとともに、自分自身が多くの方との関わりの中で学び成長してきたことを改めて思い出すことができた、素晴らしいセッションでした。

続いては LayerX CTO の松本さんの 経営・意思・エンジニアリング

キャリアのスタートから CTO という経歴の松本さんらしく、エンジニアかつ経営者であるという視点から多くの示唆に富むお話をしていただきました。

印象的だったのは、「組織設計やソフトウェア設計と事業設計は相似的である」というお話。

- アジャイル的な改善プロセスはソフトウェアの有無に関わらず有効。
- システム監視と経営権利は似ている。
- 事業は不確実性の塊だが、SRE的な思考と似たものとして捉えられる
※登壇スライドより引用

技術者の視点で企業経営を担うCTOとして、エンジニアの延長に経営があるというメッセージは、会場の多くのエンジニアに突き刺さっているように見えました。

「お客様」「社員・仲間」「投資家」「社会」という4つのステークホルダーに対する満足とバランスの話では、特に言及されていませんでしたがこの4つの順番には明確に意図があるんだろうと思いながら聞いていました。 また、短期的成果への重力に抗う原動力としてミッション・ビジョンがあり、長期の難しい意思決定が楽しいを生み出させるというお話があり、終わりの「エンジニアリングから一歩足を踏み出して事業や経営をハックしよう」というフレーズにも会場の多くのエンジニアの共感を得ていたように思います。

それにしてもさすがの言語化力。松本さんの note ソフトウェアと経営についても読んでみたい。

ランチセッションでは、hacomono CTO 工藤さんの “ウルトラジャンプ” な成長を支えるプロダクトエンジニアというキャリア を聴きました。 組織拡大の中で生まれた複数のペインに対して組織一丸となってカイゼンのシングルヒットを打ちまくったというエモい話に胸を打たれつつ、「プロダクトエンジニアに求めるスキル」という定義は弊社のエンジニアにも共通する点が多く、共感と学びの多い講演でした。

あらたまさん(@ar_tama)のセッションも、まさにEMのガイドブックとして、若手エンジニアリングマネージャーには必読書としておすすめさせていただくことにしたい内容でした。

新任エンジニアリングマネージャーのための「ぼうけんのしょ」

僕はマネージャーとしてはベテランになるのでしょうが、まさに振り返りのお供にとても有益なセッションで、Scrum@Scale ガイドからの引用もしつつ紹介されていた複数チーム間での相似的なインタラクションの話や、急成長を導くマネージャーの型から引用しつつお話されていたフィードバックループの話などがきれいに整理され明解に説明されていました。

最後に「とほほのWWW入門」で日本中のWebエンジニアがお世話になったであろう杜甫々さんのキーノートについての感想です。 講演をライブで聞けて、さらに懇親会でも少しだけお話させていただいたというのが今回の YAPC 参加の最大の成果だったと言っても過言ではありません。「とほほさんてほんとに実在したんだ」というのが大変失礼ながらの正直な感想で、そのくらい伝説的な方。HTML や JavaScript を覚えたての頃は、ほぼ毎日「とほほのWWW入門」をリファレンスとして参照させていただいたことを懐かしく思い出しました。

「新しいことを学び続ける秘訣は?」との質問に対して「好きだから。飽きたらやめます。」と答えられていたのがとても印象的でした。30年近くも学ぶことが好きだから続けていく、簡単なようでいてとても難しいと思っていて、改めてとほほさんの偉大さと Web の世界への貢献に心からのリスペクトを感じました。 自分がこの世界に入ったころの、新しい知識を学ぶ楽しさを思い出させるような講演でした。

おわりに

冒頭の通り Perl を軸としたカンファレンスと思っていましたが、エンジニアリングマネージャーにも多くの学びがあるイベントでした。

「コミュニティとの関わりが人生を変える」「エンジニアリングの延長に経営がある」「組織一体となって改善の手を打ち続ける」「ロールが変わる過程で起こる変化と捉え方の差分」「学びを楽しみ継続していくことの偉大さ」などなど多くの気づきを持ち帰ることができ、たくさんの刺激を受けてきました。

ちなみにランチセッションに登壇されていた hacomono CTO の工藤さん、聞いたことある声だなー(後ろの方で見てたのでお顔が見えず)と思ってよく見たらなんと前職時代のグループ会社の方でびっくり。。セッション後にブースでご挨拶してお互いの近況なども話すことができ、思いがけない再会となりました。 懇親会でもたくさんの CTO やエンジニアの方とお話することができ、オフラインで参加する意義を改めて感じました。

多くの知見を発信いただいたスピーカーの皆さま、会場でお会いし情報交換させていただいた多くの方々、カンファレンスの運営を継続してこられたコミュニティの皆さまに、この場を借りて心からの感謝をお伝えいたします。

ちなみにこちらは今回の YAPC 向けにデザインしたジョブボードのご紹介。

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弊社ではエンジニア採用を強化しています!少しでもご興味をお持ちいただいた方、ぜひカジュアルにお話しましょう